【連載:震災版・逃げ知恵 Vol.16】最も恐ろしい二次災害!地震が去った後に忍び寄る「通電火災」を防ぐ鉄則


大きな揺れが収まり、「まずは一安心……」とホッとした数時間後、あるいは数日後に、突如として街のあちこちで黒煙が上がり始める。

大規模震災のとき、私たちの命を容赦なく奪う最大の二次災害の一つが、電気の復旧によって引き起こされる**「通電火災」**です。地震直後だけでなく、ライフラインが復旧するまさにその瞬間に潜む危険と、絶対に知っておくべき対策をお伝えします。


1. なぜ「電気が復旧した時」に火災が起きるのか?

通電火災とは、地震の揺れによって傷ついたコードや、転倒した電気ヒーター・ストーブなどに、停電が復旧して再び電気が流れた瞬間、ショートや発熱を起こして火災が発生する現象です。

  • 無人の室内で発生する恐怖:避難するために家を空けていたり、誰もいなかったりする部屋で発生するため、発見が遅れ、大火災に発展しやすい特徴があります。
  • 阪神・淡路大震災や東日本大震災での教訓:過去の甚大な地震において、発生した火災の過半数以上がこの「電気関係(通電火災など)」が原因であると言われています。

2. 自宅を離れるとき、避難するときの「絶対の鉄則」

地震が発生し、自宅から避難所や安全な場所へ移動する際、必ず行わなければならない重要なアクションがあります。

  1. 分電盤(ブレーカー)のスイッチを「切る(OFF)」にする
    • 自宅を離れるときは、必ずメインのブレーカー(主幹ブレーカー)を落としましょう。これにより、電気が遮断され、通電火災の発生を大元から断つことができます。
  2. 電気器具の電源プラグをコンセントから抜く
    • 電気ストーブ、アイロン、ドライヤー、オーブンレンジなどの発熱家電は、必ずコンセントからプラグを抜いておきます。
  3. 避難時だけでなく、ライフライン停止中も意識する
    • 停電が続いている間も、いつ電気が復旧するか分かりません。揺れが収まった段階で、危険な家電のプラグは抜いておくのが鉄則です。

3. 電気復旧時の落とし穴!「ブレーカーを上げる前」の最終確認

電気が復旧する際、ただ闇雲にブレーカーを戻すのも非常に危険です。

  • ガスの臭いがしないか確認する:もしガス漏れの気配がある状態で電気のスイッチを入れると、わずかな火花で引火・爆発する恐れがあります。
  • 配線や家電の破損を確認する:家に戻った際、コードが踏まれていたり、家電が倒れていたりしないかを必ず目視で点検してから、慎重にブレーカーを戻しましょう。
  • 「感電ブレーカー(感震ブレーカー)」の導入:震度5強以上の揺れを感知すると、自動的に電気を遮断してくれる分電盤用の機器や、コンセントに挿すタイプの簡易器具をあらかじめ設置しておくのも非常に効果的な対策です。

今日の「逃げ知恵」まとめ

通電火災は、「まさか我が家で」が最も起こりやすい、見えない恐怖です。

  • 避難するときや長期間家を空けるときは、必ずメインのブレーカーを「切る」
  • 電気ストーブやドライヤーなどの発熱家電は、コンセントからプラグを抜いておく
  • 電気が復旧する際は、ガスの臭いや室内の安全を必ず確認してからブレーカーを戻す

「揺れが収まったから大丈夫」ではなく、「電気が戻るときこそ一番危ない」という意識を持ち、ご家族でブレーカーの位置と切り方を今一度確認しておきましょう。

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です